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ちはる君のこと [日常]

高校生の時の思い出話です。

1年生のクラスでちょっと不良っぽい男の子グループがいました。

他のクラスにそのグループのお友達がいて、その中に「ちはる君」という

男の子がいました。うちの教室にもちょくちょく顔を見せていたんですが、

私がまず、団体行動が苦手で、特に仲良しグループには属さず、微妙な存在だったので

(今思えばよくいじめられなかったな・・・)友達になるような切っ掛けは

特にありませんでした。

そして、ちはる君は、先生とよく衝突したりして問題児扱いされていたようで、

なんか怖い感じの子だなあと思っていました。

秋頃には学校を休みがちになってたようです。

中退するかもって噂も聞こえてきました。

そして冬。しんしんと雪の降る夜、私の自宅にちはる君から電話が。

「秋田に遊びに行ってきてお土産があるから渡したい。今家の近くにいる。」

突然すぎてよくわからないまま家の前で数分立ち話をしました。

雪が舞う中、親しい間柄でもなかった私は、ちはる君の話すことにただ、

うん、うん、と頷いていました。

照れくさそうに小さな包みを渡してくれてそのままお別れしました。

中身は大人っぽいイヤリングでした。

その後もちはる君は学校に来ないまま、何日かが過ぎ、また自宅に電話がありました。

内容は多分学校を辞めるであろう事、東京に出るという事、そして先日会った時

私の事をぎゅっと抱きしめたかったんだという事、でも出来なかったという事。

確かそんな話でした。

やっぱりその時も、うん、うん、しか言えなかった。

静かに電話を切って、おしまい。


その後、ちはる君は東京でアイドルのバックバンドをやっていると噂に聞きました。

がんばっててえらいな、と思いました。

そして高校卒業後、わたしも就職で上京、OL生活をしていた頃、同級生から電話が

ありました。「ちはる君、交通事故で亡くなったよ、新聞に出てる。」

電話口の彼女は涙声でした。私なんかよりずっと親しかったはず・・・

私とちはる君との思い出は今書いた通り、僅かそれだけです。

多分学校のみんなは誰も知らないでしょう。

あの雪の日、時間が止まってしまったように切り取られた風景だけです。

私は泣くこともなく静かにあの風景の中に閉じ込められました。



ちはる君、ZIGZOのRYOに似てたんです。

で、思い出しちゃって。てへ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

では、また。

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